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ディスプレー技術応用で生体内リアルタイム観察、赤字続くJDIが収益源確保へ

ディスプレー技術応用で生体内リアルタイム観察、赤字続くJDIが収益源確保へ

試作した装置。水を入れた容器の周囲に電極を設置し、抵抗の高低をリアルタイムで表示できる

ジャパンディスプレイ(JDI)は電気信号を用いて対象の内部の断面をリアルタイムで観察する技術を開発した。ディスプレーに使うタッチパネル技術を応用。3次元構造を可視化することで、非侵襲で安全に生体の内部などを観察できる。電極を取り付けて測定すると、高速スキャン技術により32電極で30フレームレート(FPS)の画像を表示できる。健康診断や家畜や野菜、配管の検査など、さまざまな応用を想定する。

JDIが独自にハードウエアとソフトウエアを開発した。スキャン用の電極を生体の周囲に最大64個取り付けられる。センサーによって複数チャンネルの信号を同時に検出可能だ。

電極を取り付けた容器の中を水で満たした後、その中にモノを置き、生体を模した実験をした。画像は抵抗の高低により、黒から青、水色、黄色、赤色などに変化する。得られた断面は水の部分が低抵抗、モノの部分が高抵抗となってほぼリアルタイムで表示することができた。

基礎技術のため、今後応用先などを模索する。例えば健康診断などで体脂肪のリアルタイム測定のほか、出荷前に野菜や畜産物などの生育や健康状態の把握などへの応用も考えられるという。工場やプラントの配管に設置することで排水などの異物センサーとしての利用も想定している。

2023年3月期連結決算は当期赤字が258億円となり、9期連続の赤字になるなどJDIは厳しい経営環境が続く。ディスプレー以外の収益源を確保するため、生体センサーや非接触のホバーセンサー、圧力分布センサーなど、センシング技術の技術開発に力を入れている。いずれもディスプレー技術を基に独自に開発した。


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日刊工業新聞 2023年06月15日

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