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大幅な落ち込み免れた半導体装置販売、今後は減速感強まる?

1-3月は9%増3兆7000億円 SEAJなど調べ
大幅な落ち込み免れた半導体装置販売、今後は減速感強まる?

半導体イメージ

半導体業界の国際団体SEMIと日本半導体製造装置協会(SEAJ)は7日、1―3月の半導体製造装置の世界販売額が前年同期比9%増の268億1000万ドル(約3兆7000億円)だったと発表した。最大市場の中国でパワー半導体向けの堅調が先端半導体向けの不振を一部補い、大幅な落ち込みを免れた。他地域も底堅く、2019年10―12月からの前年同期比プラスを維持した。ただ4―6月は減速感が世界的に強まる可能性もある。

全体の2割超を占める中国は前年同期比23%減の58億6000万ドル(約8100億円)で2四半期連続の前年同期比マイナスだった。米国による対中輸出規制の強化を背景に、メモリー半導体やロジック半導体の最先端品向け装置の需要が落ち込んだ。ただ同国で製造される半導体の約8割を占めるとされる非先端のレガシー半導体の需要は堅調で、全体では当初想定ほどの大幅な悪化には至らなかった模様だ。特に電力や電圧を制御するパワー半導体は、電気自動車(EV)市場の拡大で需要が増加。中国国内の新規投資が活発化している。北米や台湾など中国以外の地域はいずれも前年同期比プラスを維持した。

一方、メモリー半導体市況は低迷が続く。メモリー半導体メーカーが新規投資計画を見直す結果、4―6月や7―9月の製造装置販売に影響が出る可能性もある。


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日刊工業新聞 2023年06月08日

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