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核融合発電所は70億ドル必要、米協会が報告書

核融合発電所は70億ドル必要、米協会が報告書

核融合実験装置「JT-60SA」

核融合産業協会(FIA、米ワシントン)は核融合発電に関するサプライチェーン(供給網)報告書をまとめた。その中で核融合開発企業による2022年の供給網向け支出額は5億ドル(約700億円)を超え、初の核融合発電所を建設する時期までにこの額が70億ドル超に増加するとの見通しを示した。核融合産業が成長期に達すると見られる35―50年には、数兆ドル規模まで大幅に拡大する可能性があるという。

FIA会員企業で核融合の技術開発企業26社とサプライヤー34社への調査をもとに報告書を作成。核融合の場合、重要部品と材料については供給不足や政情の不安定な国々からの調達がないため、地政学的な供給リスクはほとんど見られないという。一方で開発企業は規模拡大への投資に前向きなのに対し、サプライヤー側ではしっかりした契約がなければ必要な投資をしたがらない現状も明らかになった。

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