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液化CO2輸送船、日本シップヤードと三菱造船が共同開発へ

液化CO2輸送船、日本シップヤードと三菱造船が共同開発へ

液化CO2輸送船(イメージ)。アジアのCCS計画の輸送手段として活用を想定

日本シップヤード(NSY、東京都千代田区、前田明徳社長)と、三菱造船(横浜市西区、北村徹社長)は22日、外航の液化二酸化炭素(CO2)輸送船を共同開発する検討を始めたと発表した。企業が国内で回収したCO2をアジアで地中に貯留するCCS(CO2の回収・貯留)計画の輸送手段としての活用を想定する。三菱造船の小型の実証船の知見を生かし、大型船を共同開発する。海運会社などから受注し、NSYが2027年以降の竣工を目指す。

NSYは21年、造船最大手の今治造船(愛媛県今治市)と大手のジャパンマリンユナイテッド(横浜市西区)が商船営業・設計を統合して発足した共同出資会社。今治造船は三菱造船の親会社三菱重工業と17年に商船分野で提携しており、液化CO2輸送船に提携対象を広げる。

三菱造船はタンク容積1450立方メートルの実証船を23年度後半に完成・引き渡す予定。同数万立方メートルの大型船を共同開発し、輸送先の国々の規制などに対応させる。

CCSは発電などの脱炭素の手段に期待され、アジアに輸送して貯留する計画が主流とみられる。実用化による需要拡大に対応するため、大型船で輸送量を確保する。現状は世界でも大型船はないという。

日刊工業新聞 2023年05月23日

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