京大・山中所長インタビュー「年内に移植手術」
iPS細胞の臨床2例目
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の山中伸弥所長は日刊工業新聞社の取材に応じ、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた再生医療の臨床研究の今後のスケジュールについて言及した。2014年に理化学研究所(理研)の高橋政代プロジェクトリーダーが実施した加齢黄斑変性患者へのiPS細胞移植手術について「2例目以降を速やかに再開する準備はもう整っている」とし、CiRAの全面協力のもと16年内に移植を実施する見通しを明らかにした。
前回の移植は、患者自身の皮膚から作ったiPS細胞由来網膜色素上皮シートを用いた自家移植だった。だが、コストや時間がかかる自家移植ではなく患者以外の他人の組織由来細胞を移植する「他家移植」が求められている。
他家移植の可能性について山中所長は「効果や拒絶反応、定着の様子などを臨床研究で十分に検証した後、治験や先進医療の方向性を選択することが望ましい」とし、承認を目指す治験よりも臨床研究を重視する考えを示した。また、15年11月に文部科学省が改定した「iPS細胞研究ロードマップ」で臨床開始時期が近いとされるパーキンソン病や脊髄損傷についても、「各分野の研究者が早期の実施に向けて準備を進めている」と述べた。
<山中所長のインタビュー全文と関連記事「深層断面」は、日刊工業新聞電子版に会員登録して頂くとお読みになれます>
前回の移植は、患者自身の皮膚から作ったiPS細胞由来網膜色素上皮シートを用いた自家移植だった。だが、コストや時間がかかる自家移植ではなく患者以外の他人の組織由来細胞を移植する「他家移植」が求められている。
他家移植の可能性について山中所長は「効果や拒絶反応、定着の様子などを臨床研究で十分に検証した後、治験や先進医療の方向性を選択することが望ましい」とし、承認を目指す治験よりも臨床研究を重視する考えを示した。また、15年11月に文部科学省が改定した「iPS細胞研究ロードマップ」で臨床開始時期が近いとされるパーキンソン病や脊髄損傷についても、「各分野の研究者が早期の実施に向けて準備を進めている」と述べた。
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