富士フイルムが45億円投資、半導体材料を増強
富士フイルムはベルギーの工場で半導体材料の生産設備を増強する。約45億円を投じて製造タンクや品質評価機器などを導入。2025年の稼働を予定し、半導体回路の保護膜などに使用するポリイミドの生産能力を現状比2倍に高める。研究開発や品質保証を行う設備も拡張し、半導体材料の新規開発を加速する。
欧州現地法人の工場に投資し、ポリイミドに加え、回路形成に用いる現像液やクリーナーなどのフォトリソグラフィー周辺材料も増産する。太陽光発電パネル設置や倉庫の増設も計画する。
富士フイルムは半導体製造に使用するプロセス材料を展開し、グローバルで生産体制を整備している。ポリイミドはウエハーに回路形成する前工程に加え、半導体素子を基板に実装する後工程での需要が高まっており、生産・開発の両面で体制を強化する。
欧州では、半導体の研究開発機関imec(アイメック)などによる次世代技術の開発が進む。富士フイルムは新製品の開発加速や顧客への技術サポートを強化し、先端分野を中心に半導体材料のシェア拡大につなげる。
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日刊工業新聞 2023年05月01日