ホンダ・GSユアサに最大1587億円、経産省が支援する蓄電池・半導体産業の全容
経済産業省は国内で蓄電池や半導体の生産基盤を強化する企業に最大約2410億円を助成する。このうちホンダとGSユアサが計画する車載用蓄電池の新工場整備に最大約1587億円を支援する。経済安全保障推進法に基づく措置で蓄電池、半導体分野の計画認定は初めて。米中対立などを背景にサプライチェーン(供給網)強靱(きょうじん)化の重要性が高まる中、国内で安定供給できる体制を整備する。
蓄電池分野ではホンダとGSユアサの事業計画を含め計8件を認定した。8件の総事業費は約5062億円。経産省は最大約1846億円を助成する。ホンダとGSユアサは国内に車載用、定置用蓄電池の工場新設や生産技術の開発に約4341億円を投じる。新工場は2027年4月に稼働する予定で、30年にかけて順次生産を拡大する。年間生産能力は現在の国内全体の蓄電池の生産能力と同等の20ギガワット時を目指す。
半導体分野は計2件の事業計画を認定した。経産省が最大約564億円を助成する。ルネサスエレクトロニクスは自動車や産業機器向けのマイコンについて国内3工場の生産能力を強化する。イビデンも高機能基板の生産能力を増強する。
政府は経済安保法に基づき22年末、半導体、蓄電池など11分野を「特定重要物資」に指定した。蓄電池や半導体は脱炭素に向けた再生可能エネルギーの利用拡大や世界で普及が見込まれる電気自動車(EV)の生産に不可欠で、国内で安定供給体制を整備する重要性が増している。
西村康稔経産相は今回の計画認定について「蓄電池の安定供給やグリーン・トランスフォーメーション(GX)の推進につながることを大いに期待したい」と述べた。
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日刊工業新聞 2023年05月01日