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使用済み歯車の「使用寿命」新品同等以上に修復する新手法の仕組み

使用済み歯車の「使用寿命」新品同等以上に修復する新手法の仕組み

浸炭処理した歯車にレーザー焼き入れをする

日立建機は、物質・材料研究機構(物材機構)と共同で、使用済み歯車の表面にレーザー焼き入れすることにより摩耗で損傷した部分を修復し、使用寿命を新品と同等以上にする手法を開発した。使用済み油圧ポンプ内の歯車再生で、同手法を適用する。これにより、従来は廃棄の対象としていた歯車の再生利用率を約25%高められる。

20トンクラスの油圧ショベルの場合、定期部品交換時に新品ではなく再生の歯車を使うことで、新品部品製造時に発生する二酸化炭素(CO2)排出量を約13キログラム減らせるという。将来的には、よりサイズの大きい鉱山機械の再生部品への適用や、部品再生を行っているグループの海外拠点への導入も計画する。

高負荷がかかる歯車は長く使うと摩擦や残留応力などによって疲労し、変形や破損につながる。浸炭処理した使用済み歯車にレーザーを照射することで、不具合を引き起こす金属の表層組織を部分的に改質して強度を回復させ、寿命を新品と同等以上に延長できることを実証で確認した。

同手法の研究は、日立建機の部品・サービスビジネスユニットと物材機構の構造材料研究センター極低温疲労グループが2019年から取り組んできた。

日刊工業新聞 2023年04月26日

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