「半導体製造装置」2022年度販売額が過去最高も、後半失速の背景事情
日本製の半導体製造装置の2022年度の販売額が過去最高を更新したもようだ。日本半導体製造装置協会(SEAJ、東京都千代田区、牛田一雄会長)の発表(速報値)をもとに日刊工業新聞が試算した22年度の販売額は約3兆9200億円だった。前年度を13・9%上回ったが、21年度(同44・4%増)に比べプラス幅は縮小した。メモリー半導体を中心に市況が悪化し、半導体メーカーの投資抑制や、米国の対中輸出規制強化などを背景に、年度後半にかけて需要が失速した。
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22年9月(8―10月の3カ月平均)は1986年の統計開始以来、単月で過去最高の販売額を記録したが、その後は一転落ち込み、23年2月まで5カ月連続で前月割れとなった。23年1月には前年同月比でも約3年ぶりのマイナスとなった。
コロナ禍の巣ごもり需要からの反動や世界的なインフレ、中国景気の悪化を背景にパソコンやスマートフォンの出荷が落ち込み、メモリー半導体を中心に需給バランスが供給過剰に傾いた結果、半導体メーカーが投資を抑制。製造装置の需要を押し下げた。米国が22年10月に先端半導体の製造に用いる装置の輸出強化を明らかにしたことも響いた。
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日刊工業新聞 2023年04月25日