ブレーキ部品の新鋳造工場、キリウが50億円投資
キリウ(栃木県足利市、武岡一満社長)は、本社敷地内に建設していた自動車用ブレーキ部品の新鋳造工場を竣工した。建物や鋳造設備などを含めて投資額は約50億円。既存の鋳造ラインの老朽化に伴い設備を更新した。新工場は最新鋭の設備導入により、従来と比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を30%削減できる見込み。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現や省力化に向け、環境や安全面に配慮した製造ラインを整えた。
新設した「F4工場」は、高さが最大23メートルで延べ床面積は7200平方メートル。生産能力は月産2200トン。鋳鉄用の溶解炉として、新たに高周波電気炉4基を導入しCO2を削減する。
取鍋の自動搬送など鋳造工程の自動化や安全面にも配慮した。武岡社長は「新鋳造工場はマザー工場として品質、コスト面での競争力を高め、環境負荷低減も実現する重要な拠点だ」と話す。
キリウは1906年の創業で、従業員は連結ベースで約6200人。自動車用ブレーキディスクやブレーキドラムなどを手がける。2004年に住友商事の子会社となり、国内外16拠点で事業展開する。
キリウの生産能力は月産4万6900トン。今後は環境に配慮した生産ラインで顧客の要望に応じた製品を提供する。
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日刊工業新聞 2023年04月24日