濃度1000倍のコラーゲン配合、原料メーカーが独自技術で化粧品事業に参入
多木化学は化粧品事業に参入する。原料メーカーとしての知見を生かし、魚うろこ由来の高濃度コラーゲンを配合した美容液「うるみこ」を開発した。コラーゲンが持つ3重らせん構造を壊さずに抽出する独自技術を活用し、一般的な化粧品に含まれるコラーゲンの500―1000倍の濃度を確保。高い保湿性と肌のキメを整える美容液を開発した。
保湿成分として使われるコラーゲンは濃度が高いほど効果を発揮する。一方で化粧品に高配合すると粘性の上昇や化粧成分との結合で溶けにくくなり、製品使用時の不快感につながる。同社はコラーゲンをフリーズドライしたスポンジにし、使用時に化粧水で溶かすことで高濃度のコラーゲン美容液を完成させた。楽天グループが運営する電子商取引(EC)サイト「楽天市場」で販売する。価格はセットで7920円(消費税込み)。
同社は魚のうろこからコラーゲンを抽出する技術を確立し、これまで医療用や化粧品の原料素材としてコラーゲンを提供してきた。自社の技術を生かせばコラーゲンの高い保湿性を発揮する化粧品を生み出せると考え、事業参入を決めた。
今後もコラーゲンの特徴を引き出した化粧品を開発し、順次投入していく。
日刊工業新聞 2023年04月14日