韓国・現代自動車は2.4兆円、海外メーカーEV生産投資相次ぐ
海外自動車メーカーが、電気自動車(EV)の生産計画を相次いで打ち出している。米フォード・モーターは18億カナダドル(約1800億円)を投じてカナダ・オンタリオ州の完成車工場を改修し、2025年にEV生産を始める。韓国・現代自動車グループは30年までに韓国のEV産業に24兆ウォン(約2兆4000億円)を投資する。グループ会社の起亜自動車が1兆ウォン(約1000億円)を投じて同社初のEV専用工場を建設し、25年後半に生産を始める。
フォードはオンタリオ州オークビルのガソリン車生産工場をEVやEV用電池の生産拠点に改修する。24年4―6月に設備の更新を始め、25年に生産を始める計画。約3000人の従業員の雇用は維持するが、一部は一時解雇の対象となる見通し。
フォードは26年末までに世界で年200万台のEV生産を目指している。米政府は米国で販売されるEVについて、北米で最終組み立てされ、搭載する電池部品も一定割合を北米で調達した車を税制優遇する施策を打ち出している。フォードは主要市場である米国向けの生産拠点として、カナダのEV生産体制を整備する。
フォードのジム・ファーリー社長兼最高経営責任者(CEO)は同工場について「バッテリーと車両の組み立てのための、現代的で効率的な、垂直統合されたサイトになる」としている。カナダでは米ゼネラル・モーターズ(GM)も22年12月に、オンタリオ州でEVの生産を始めている。
現代グループは韓国内におけるEV産業向けの投資計画について、京畿道華城市にある起亜の華城工場で開いたEV専用工場の起工式で公表した。グループにとって国内の新工場は約30年ぶりで、起工式には尹錫悦大統領も参加した。新工場は最初の1年間で15万台を生産する予定で、市場拡大に応じて生産量を拡大する可能性がある。現代グループは同時に、30年までにEVの年間生産台数を韓国内で151万台、世界で364万台に拡大する計画も明らかにしている。
【関連記事】EV向け需要を狙うフェローテック、半導体基板の生産能力を2倍以上に!