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22年度輸出船契約は33隻減、それでも小型バラ積み船が好調だった理由

日本船舶輸出組合(JSEA)が発表した2022年度の輸出船契約実績によると、受注量を示す一般鋼船の契約は前年度比17・9%減の1174万1280総トンになり、3年ぶりに前年度実績を下回った。隻数は280隻で、33隻減った。前年度がコロナ禍からの経済正常化で高水準だった反動のほか、鋼材高騰による船価上昇で、船主が発注を控える動きが響いた。

隻数の船種別は、貨物船が50隻で前年度より19隻減った。内訳では、コンテナ船が22隻でほぼ半減した。経済正常化による特需が続いた前年度からの反動減。一般貨物船は15隻で1隻、自動車運搬船は13隻で4隻それぞれ増えた。 バラ積み船は209隻で9隻減った。内訳では、ハンディ型が20隻増の97隻、ハンディマックス型が2隻増の71隻になるなど小型船が好調だった。「小型船は鋼材使用量が少なく、高騰の影響を受けづらい」(JSEA)ためとみられる。一方で、ポストパナマックス型が11隻減の1隻、ケープサイズ型が6隻減の14隻など中・大型船が落ち込んだ。

油送船は3隻減の21隻だった。

22年度の通関実績は189隻、838万2315総トン。これにより、受注残を示す3月末の手持ち工事量は498隻、2215万6060総トンとなった。前年度末より87隻、314万4200総トン増えた。18年度末(496隻、2512万5442総トン)以来の高水準。約2年分となる2000万総トンを12カ月連続で超えた。

3月単月の輸出船契約実績は、前年同月比46・3%減の98万2250総トンで、4カ月ぶりに前年同月を下回った。

隻数は23隻で、前年同月より26隻減った。船種別はバラ積み船がハンディ型8隻、ハンディマックス型6隻、パナマックス型3隻、ケープサイズ型4隻。油送船は液化石油ガス(LPG)・アンモニア運搬船1隻、ケミカル船1隻。貨物船は0隻だった。

日刊工業新聞 2023年04月12日

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