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神奈川・綾瀬市の中小、「下町ボブスレー」と技術交流

東京・大田区の横連携のノウハウ手本に
神奈川・綾瀬市の中小、「下町ボブスレー」と技術交流

「下町ボブスレー」参加企業との技術交流会の模様

 神奈川県綾瀬市内の中小企業と、東京都大田区の「下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会」に所属する企業7社が17日、技術交流会を行った(写真)。大田区の参加企業はエース、シナノ産業、辰美製作所、尾熊シャーリング、平川製作所、磐梯工業、キョウエイの7社。綾瀬イノベーション推進委員会に参加する光製作所、栄和産業、サーフ・エンジニアリングの3社の工場を見学した。

 綾瀬市の笠間城治郎市長は「交流を通じて市内中小企業が活性化してくれれば」と期待。同推進委の根本秀幸委員長は「追いつけ追い越せという気持ち。交流の中で横連携のノウハウを手本にしたい」と話した。エースの西村修社長は「工場の規模が違う。大田区は住宅が多く大きなプレス加工ができない。従業員も10人いれば大企業」と違いを話していた。

“綾瀬工場”のブランド化を推進


2015年10月21日


 神奈川県綾瀬市は、若手経営者による「綾瀬イノベーション推進委員会」を創設した。市内の中小企業が連携して材料や事業を得る“共同受注システム”の構築を当面の目標に据える。市内に拠点を置く30―50歳の若手経営者13人を中心に、NPOあつぎみらい21(神奈川県厚木市、小泉誠二理事長、046・248・6847)や市が構成メンバーとなり、地域の活性化や市内製造業全体の底上げを目指す。

 綾瀬市は市内を一つの工場とみる「綾瀬工場」のブランド化を推進中。イノベーション推進委員会もその一つで、「中小企業のネットワークの構築」を目指す。同会には綾瀬工業団地、早川工業団地、さがみ野工業団地、吉岡工業会、綾南工業会の市内5工業関係団体を代表する気鋭の若手経営者が集合し具体策を考える。

 まずは、経産省の担当者らによる企業間連携の先進事例を学ぶ予定。具体的な活動は今後協議していくが、東京都大田区の「下町ボブスレーネットワークプロジェクト推進委員会」のように、企業が技術を持ち寄り一つの製品や事業へまとめていく。委員会では本年度内に方向性を打ち出し、次年度から具体的な事業に着手する。

 綾瀬市内には金属加工業を中心に中小製造業が約400社集積している。多くが多品種少量生産で、「下請け」体質から脱却し独自製品への挑戦や新規取引先の開拓を模索している。市では同委員会での議論を基に「現場の中小企業のニーズをくみ取り政策設計に反映していきたい」とも期待する。

日刊工業新聞2016年2月18日中小企業・地域経済面
斉藤陽一
斉藤陽一 Saito Yoichi 編集局第一産業部 デスク
 中小製造業同士の横連携は、かつてはどの地域にも見られた風景。ただ後継者不足による廃業などにより、そうした横のネットワークが崩れてしまっている現状があります。「下町ボブスレー」が話題となる中で、横連携の重要さが再認識されるようになれば良いですね。

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