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リコーが3D造形で開発、「マイクロ水力発電装置」の実力値

リコーが3D造形で開発、「マイクロ水力発電装置」の実力値

今回作製したマイクロ水力発電装置のイメージ

リコーは、国土交通省が主導する下水道応用研究において、3次元(3D)プリンターを活用したマイクロ水力発電装置を開発し、発電に成功した。また従来の金属製マイクロ水力発電装置と比べて、軽量化や機器作製期間の短縮を実現した。今後国内下水処理場での設置や海外での導入も検討する。発電した電気は下水処理場内にある防災拠点の非常用電源やバッテリーシステムなどで活用を見込んでいる。

リコーの社内スタートアップと、シーベル、金沢工業大学機械工学科の産学連携で、3Dプリンター製のマイクロ水力発電装置を開発した。リコーの3Dプリンター技術を用いて、バイオマス由来の材料を使った羽根を組み込んだ。静岡県内の下水処理場で実証実験を実施し、数キロワットの発電に成功。金属製のマイクロ水力発電装置よりも重量は水車部分で25%、装置部分で15%の軽量化を実現し、水車の作製期間は約1カ月から3日と大幅に短縮した。水車は樹脂製のため水中での耐久性も向上した。

日刊工業新聞 2023年04月05日

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