水素燃料電池で動く「ラジコン草刈り機」の実力
ネクスティエレクトロニクス(東京都港区、柿原安博社長)は、シンガポールのスペクトロニック製水素燃料電池を搭載した電動ラジコン草刈り機(写真)を開発した。今秋をめどに販売を目指す。量産機には容量6・8リットル、充填圧力29・4メガパスカル(メガは100万)の高圧水素容器2個搭載し、約8時間の連続作業を可能にする。
実証実験では容量2・8リットル、充填圧力19・6メガパスカルの高圧水素容器を1個搭載し、2時間の連続作業を確認している。ネクスティは22年5月にスペクトロニックと販売代理店契約を締結。同社製水素燃料電池の搭載を比較的小型の地上・水上車両や無人航空機、ロボットなどに進めてきた。
従来の電動ラジコン草刈り機はリチウムイオン電池(LiB)を採用しており、中山間地域など充電環境のない地域や、太陽光発電所・果樹園など広範囲なエリアでは長時間の連続作業に対応できないという課題があった。
この課題を解決するため、ネクスティは21年からユニック(東京都杉並区)、JFEコンテイナー(東京都千代田区)と共同で、従来のLiBと比べて長時間駆動が可能なる水素燃料を搭載したラジコン草刈り機の開発を進めていた。
日刊工業新聞2023年4月3日