ニュースイッチ

大林組が橋の改修で初適用、トヨタ開発「施工シミュレータ」の作業効率化効果

大林組が橋の改修で初適用、トヨタ開発「施工シミュレータ」の作業効率化効果

施工シミュレータで構築したバーチャル現場(イメージ)

大林組トヨタ自動車未来創生センターが開発した「施工シミュレータ」を東名多摩川橋の改修工事に初めて適用し、バーチャル現場の構築によって作業時間と作業員数をそれぞれ2割削減できる効果を確認した。今後は繰り返し作業が多い土木建築工事や、作業時間が短い鉄道の切り替え工事などにも活用。生産性の改善とリスク回避につなげる。

新しいコンクリート床版と主桁を固定するモルタル打設や、隣り合う床版と接合するためにプレキャスト板を設置する工程で適用。現場や建機、床版を3次元(3D)のコンピューターグラフィックス(CG)で表示してバーチャル現場を構築した上で、実際の作業員の動きを再現して建機や他の作業員との連携を見える化した。

今回の現場では、バーチャル現場でのシミュレーションを踏まえ作業員の振り分けを再検討。待機中などで生じていた作業員の時間的な無駄をなくし、当初計画で60分必要だった工程を50分に短縮した。また、作業員数を12人から10人に減らす効果も引き出した。昼間・夜間の人員配置や能力を考慮した作業の平準化にも活用する


【関連記事】 トヨタグループも頼りにする異能の変革集団
日刊工業新聞2023年3月27日

編集部のおすすめ