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猫を肩に乗せ猫背を直すウェアラブル、人の不幸で炊いた飯はうまい?

「Yahoo! Japan HackDay2016」レポート(中編)
猫を肩に乗せ猫背を直すウェアラブル、人の不幸で炊いた飯はうまい?

猫背修正のニャンキャノン。発表会場では本物の猫は搭載できず

 Yahoo! Japan Hack Day 2016では面白いだけの作品も少なくない。「ニャンキャノン」は猫を両肩に乗せて猫背を直すウェアラブルだ。猫のおしりには触られると嫌がるポイントがあるらしい。角度センサーで人間の猫背を検出すると、両肩の猫のおしりをモーターでくすぐる。すると猫が嫌がり後ずさりする。重心が後ろに反れて猫背が治るという仕組みだ。愛猫とお出かけする際に両手がフリーになり、猫も人間も温かい。開発した遠藤康平さんは「いまは手縫い。量産の暁にはミシンを導入する」という。

 本当に人の不幸で炊いた飯はうまいのか検証したチームもある。芸能人のスキャンダルなどの炎上スコアを土鍋の火力に反映。実際に白米を炊いてみた。女性芸能人では焦げてしまい、男性芸人では丁度おいしく炊きあがった。開発した葛原健太さんは、「人の不幸を笑う『メシウマ』も丁度良い加減があるはず。不幸で炊いた飯をイベントなどで販売し、売り上げは炎上金として本人に返せば良いかもしれない」という。ちなみにご飯が焦げても、お茶漬けにすればおいしく食べられるそうだ。


 産みの苦しみを共有するツールもある。山崎晴貴さんらは妊婦の陣痛を男性が体験するツールを開発。筋電センサーで収縮を検知して、低周波治療器で男性に伝える。「出産の痛みは男には耐えられない。それでも横に立っているだけでなく、少しでも共有できれば、その後の夫婦生活がうまくいくはず」という。父親が立ち会いに間に合わなくても、ログをとっといて追体験させれば父親になる自覚も芽生えるかもしれない。

 煩悩を昇華させるシステムも開発された。フェイスブックなどSNSで自分を良く見せている人は多い。投稿のキーワードや写真などから煩悩スコアを算出、スコアの数だけ鐘をついて煩悩を昇華させる。爲房新太朗さんは「虚栄心は誰にでもある。自分を省みる良いきっかけになる」という。

 チーム「電気羊牧場」はネットの「www」の数だけ草を植えるロボットを開発した。wwwは笑いを表し、草を生やすと表現される。河瀬太樹さんは「なら本当に草をはやしたい。wwwの数、笑いの数だけ緑化できれば素晴らしい」という。ネット上のwwwの数に応じて、ロボットから草の苗が投下される。土や砂の上でロボットの走破性を確認した。一台40-50個の苗を搭載できる。あとは砂漠にロボットをばらまくだけだ。河瀬さんは「将来は動力源に太陽電池、機体は生分解性プラで構成したい」という。

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昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
取材を担当した小寺記者よりコメント「現在、芸能界、政界ともにスキャンダルの嵐が吹いている。でも彼らに任せれば、謝罪会見でも背筋が伸び、笑いや緑に変えてくれるだろう。と思うことは不謹慎かもしれません。」

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