液体水素エンジン車で耐久レース初参戦するトヨタ、次期社長が語った市販化への技術レベル
トヨタ自動車は水素エンジン車の開発で、アイシンや愛知製鋼、KYBなど新たに9社と連携した。2023年は燃料を気体水素から液体水素に変えて耐久レースに出場する方針を示しており、適した制御バルブや金属材料、配管といった関連技術を開発する。また5月下旬に静岡県小山町で行われる24時間レースに、液体水素エンジン車で初めて参戦すると明らかにした。
液体にすることで水素搭載量が増やせ、航続距離を気体に比べて約2倍にすることを目指す。川崎重工業の水素運搬船で豪州から運んだ褐炭由来の液体水素を使う予定で、岩谷産業が液化水素ステーションの構築を担う。
18―19日に三重県鈴鹿市で開かれた「スーパー耐久」で会見した佐藤恒治次期社長は、市販化に向けた技術レベルは「山の中腹にいるのは間違いない」とし「上れるだけ上る」と力を込めた。川崎重工の橋本康彦社長は「液体水素は輸送効率が非常に高い。使う側と一緒になって水素社会を実現したい」、岩谷の間島寛社長は「大型モビリティーでは液体水素が主流になるだろう。ニーズに応じて開発を進める」と、それぞれ意気込んだ。
【関連記事】 トヨタグループも注目、熱源を操り省エネを実現する愛知の実力企業
日刊工業新聞2023年3月20日