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水素エンジン車で車両火災、トヨタが耐久レース初戦欠場

トヨタ自動車は、開発中の水素エンジン車が18―19日に開かれる耐久レース「スーパー耐久」の初戦を欠場すると発表した。テスト走行中にエンジンルーム内で配管から水素が漏れて火災が発生し、修復が間に合わないため。同車両は燃料をこれまでの気体水素から、初となる液体水素に切り替えて出走予定だった。設計変更など対策を講じ、5月に行われる第2戦への出場を目指す。

8日に実施した走行テストで発生した。液体から気体にした水素をエンジンに送り込むための配管の結合部分が、車両の振動によって緩んだことが原因。燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」にも搭載する安全機構が働き、水素漏れを検知して0・1秒以内に供給を止めた。大きな延焼やけが人は出ていないという。

15日、報道陣の取材に応じた豊田章男社長は「レース車両開発ではあり得ること。誰もやっていない未来へのチャレンジは止めたくない」と強調。佐藤恒治執行役員は「課題を出すのがレース出場の一つの目的。前向きに受け止め、改善の手を緩めず次に進む」と語った。

日刊工業新聞 2023年03月16日

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