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中国製SiCパワー半導体チップを販売するJPDの狙い

中国製SiCパワー半導体チップを販売するJPDの狙い

フルテスト後にウエハーリングに載せた状態のSiCパワー半導体チップ

ジャパンパワーデバイス(JPD、京都市下京区、須山透社長)は3月中に、中国製の炭化ケイ素(SiC)パワー半導体のチップ販売を始める。JPDブランドで販売し、品質と技術のサポートも担う。国内のSiC半導体メーカーは競合が増えるのを避けるためチップ販売はほとんどしていない。JPDは要望に応じてチップのフルテストや細かい性能のランク分けに対応し、国内パワーモジュールメーカーなどのSiCチップ需要に応える。

中国製のSiCチップは3社から調達する。3月中にサンプル出荷を始めて、4月ごろをめどに提携する国内の組み立て・テスト(OSAT)会社がチップごとのフルテストとランク分けの体制を整える。ショットキーバリアダイオード(SBD)と金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の650ボルトクラスと1200ボルトクラスの製品。チップトレーまたはウエハーリングの状態で供給する。TO220とTO247パッケージでの販売も可能。

SiCパワー半導体は中国メーカーが国内メーカーの供給力を上回り、価格も安価だが、品質やサポート体制への不安などから国内ユーザーの採用が進んでいない。国内SiC半導体メーカーは自社のパワーモジュールの競合が増えるのを避けるため、チップ販売はほとんどしていない。

JPDは技術サポートや品質管理体制を作って中国製チップを採用しやすい環境を作り、国内ユーザーの反応を探る考え。チップテストやランク分けなどの付加価値を加えた場合にどの程度の値付けが可能か見極める。

JPDは2021年設立のパワー半導体のファブレス企業。自社設計したシリコン(Si)製絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を国内の提携先で生産する体制を構築している。22年に予定していたIGBTのサンプル出荷は、予定より遅れて23年3月中に開始する予定だ。


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日刊工業新聞 2023年03月08日

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