ニュースイッチ

新規開拓営業で100%代金回収できる鉄壁の方法があった

小さなものづくり企業の営業改革大作戦 #8
新規開拓営業で100%代金回収できる鉄壁の方法があった

アイキャッチイラスト:石山さやか(@shiya07)

中小企業の新規開拓には壁がいくつかあるが、そのうちの一つが与信と回収リスクの問題だ。営業が新規の受注を獲得してきても、回収リスクを恐れる財務/経理部門からストップがかかるケースが散見されるのだ。
 日本の企業間取引では掛け売りが一般的なので、請求書を出してから入金までの間に時差があって回収リスクが発生する。そこで新規の取引先については信用調査会社等を活用して事前確認を行い、会社ごとのルールで取引相手に与信(=信用を供与)してから支払い条件や掛け売りの上限額を設定して、取引口座を開設する……という形を取っている企業が多い。
 この場合、口座開設した後も定期的に情報収集をして限度額や取引条件をアップデートする「与信管理」という業務も必要になってくる。取引が長くなれば事業環境も変わる可能性があるので当然といえば当然なのだが、高度な与信管理には専門的なスキルが必要で、中小企業が社内に全てを抱えるのは大変だ。

また、営業パーソンの立場からすれば、努力して新しい顧客と商談成立したとしても、取引口座開設の段階で財務/経理部門からケチがついた場合には、前払いなど支払い条件の交渉を余儀なくされたり、商社経由の取引に切り替えを求められたりと、不本意な事態になりがちだ。これらの手間や課題を何とかクリアする方法はないのだろうか?

コレを使えば売上機会と回収リスクの二択から脱却できる

ここで紹介したいのが、近年広がっている「請求代行」というサービス。これは売主と買主の取引の間に入り、請求書の発行から代金回収、入金確認などを代行してくれるという大変便利なサービスだ。
 そこで本誌では、2011年から日本初の「債権保証付き」のフルパッケージを提供している業界のパイオニア、株式会社ネットプロテクションズのBtoB向けサービス「NP掛け払い」について、中小企業におけるサービス活用について調査した。
 「NP掛け払い」の流れはこうだ。まず、新規先との取引が決まったら、NP掛け払いに情報を伝えれば与信をしてくれる。この与信通過率は99%というから、自社の与信では直接取引が難しい相手先にも販売できる可能性が高い。
 実際に売上が発生したら、売上情報を登録すれば請求書を代わりに発行。これは郵送でもメールでも対応可能だ。支払期日になると代金を回収して、一括入金してくれる。ここでもし期日までに入金が確認できない場合でも、ネットプロテクションズが100%保証してくれる。さらに督促までお任せできるので、売主は安心して販売に専念することができる仕組みになっている。

このサービスを利用することで、次のようなメリットが出ると考えられる。

【NP掛け払い 利用のメリット】
①回収リスクがなくなる
②与信・与信管理をおまかせできる
③請求書発行・入金管理の負荷軽減
④気の重い督促から解放される
⑤経理業務のDXができる

これらのメリットを総合的に見た最大のメリットが販売機会の拡大だ。これまで躊躇していた小規模企業との新規取引や、口座開設するまでもないような少額の新規取引などでも、NP掛け払いを使えばリスクなしでどんどん販売できる。営業パーソンは取引条件の交渉や督促などに煩わされることなく、本来の業務に注力できることだろう。
 気になる手数料は最大でも3.6%で、クレジットカードの決済手数料と同等レベル。取引規模にもよるが、決済・請求の専任担当を雇用するよりもずっと安いし、手形や電子記録債権(でんさい)、ファクタリングなどの従来の決済方法の手数料や割引料よりもコストを抑えられる可能性もある。
 サービス導入により余裕ができた事務スタッフの工数は、ウェブサイトの運営やインサイドセールスなど、売上をつくる業務に振り向けられればより理想的だ。本誌読者層である中小企業こそ、このようなサービスを活用してリスクを抑えながら販売機会の拡大を図っていただきたい。

【POINT】
「決済代行サービスで」回収リスクを回避して
新規も小口も恐れず開拓しよう

なお、ニュースイッチでの本連載は#8でいったん終了となる。しかし『小さなものづくり企業の営業改革大作戦(日刊工業新聞社)』の本誌では、営業に出る前の社内の整理事項から、営業マンが以内状態でも潜在顧客を探す方法、出会った顧客へのアプローチ法などの具体策まで、ケーススタディを交えて様々な打ち手を紹介している。「いい仕事していれば自然に次の注文が来る」「営業なんてしたことないから苦手」と思い込んでいる中小企業の経営者・管理職の方々に、ぜひおすすめしたい一冊だ。

[取材協力]
株式会社ネットプロテクションズ
BtoB向け決済『NP掛け払い』  https://np-kakebarai.com/

貴社の営業力の現在地がわかる簡単なチャートを用意してみた。ぜひ試してみてほしい。
【中小製造業向け】営業の現在地確認チャート

<著者紹介>
ものづくりライター 新開 潤子
『小さなものづくり企業の営業改革大作戦(日刊工業新聞社)』の著者であるものづくりライター。中小製造業を中心に取材活動を行いながら、「ものづくり企業の商売繁盛を全力で応援するサポーター」として経営計画、営業の仕組み導入などのコンサルティングを行っている。
(オフィス・キートス 代表 https://office-kiitos.biz/

小さな製造業の営業は「売り込む」ではなく「売れる仕組みを作る」が正解だった――激変する経営環境の中で「営業なんてしたことない」「営業マンがいない」というものづくり企業のための、ひとりからできる「営業」の打ち手集。

書名:小さなものづくり企業の営業改革大作戦
著者名:新開潤子
判型:B5判
総頁数:104頁
税込み価格: 2,035円
<販売サイト>
Nikkan Book Store
Amazon
楽天ブックス

ニュースイッチオリジナル

編集部のおすすめ