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10倍速で一体成形、東レがCFRPモビリティー部材向け新技術

10倍速で一体成形、東レがCFRPモビリティー部材向け新技術

東レが製作した自動車ルーフのCFRP製パネル部材

東レは、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製モビリティー部材を従来のオートクレーブ成形に比べ10倍の高速で一体成形する技術を開発した。炭素繊維多孔質材料(CFRF)をコア材に熱硬化性プリプレグ(シート材)をスキン材にしたサンドイッチ構造を汎用プレス機でワンショット成形する。高速成形に加え、スチール部材に比べ50%の軽量化が可能。技術確立を完了し、製品開発を進める。

CFRFとプリプレグを積層してプレス成形することで、CFRFが熱膨張するとともにプリプレグの熱硬化樹脂が多孔質体に浸透し接着できる。自動車用ルーフ部材(縦1・2×横1・2メートル×厚さ2・3ミリメートル)で従来の10倍となる成形速度5分を実証した。スチール製と等価剛性で50%の軽量化となるほか、衝撃試験でもスキンコアの界面剝離を発生しなかった。

現在、発泡材をコア材としたCFRP部材も使用されるが、最初にコア材の形状を得た後にスキン材を貼り合わせるため製造時間が長いのが課題だった。新成形技術は電動化モビリティーの航続距離延長のための軽量化と、製造時間短縮にメリットがあるとして、電気自動車やアーバンエアモビリティー(UAM)、飛行ロボット(ドローン)などへの展開を計画している。


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日刊工業新聞 2023年02月17日

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