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踏切の安全対策強化へ、JR西日本が導入する新支援装置の中身

踏切の安全対策強化へ、JR西日本が導入する新支援装置の中身

来年度から導入するカメラの画像解析で停止信号を検知して運転士に注意喚起するシステム(イメージ)

車両カメラで検知、乗務員に注意喚起

JR西日本は大型車が通行する踏切の安全対策整備を2023年度以降に拡充する。カメラの画像解析を活用して乗務員に注意喚起する新支援装置を23年度から導入、27年度まで列車速度などの条件での対象区間で整備率約6割を目指す。無線での停止信号発光検知による注意喚起装置は27年度までの整備率を約9割に引き上げる。ブレーキ支援装置も増やす。大型車と列車の衝突は踏切事故の中で大きな被害の可能性があり、対策を強化する。

運転士に特殊信号発光機の停止信号を音声で注意喚起する特発音声支援装置は、列車の最高速度が時速100キロメートル超の線区か、1日当たりの区間別平均通過人員1万人以上か大型車の交通遮断量が500台時以上の踏切が対象。32年度までに全エリア約880カ所に整備する。

音声支援装置のうち列車の先頭に設置したカメラの映像から赤色発光を識別、検知して音声で注意喚起するシステムは19年度に岡山エリアで試験導入した結果、運用できると判断した。広島・岡山エリアの踏切約200カ所と京阪神・広島・岡山以外で約260カ所整備する。車両カメラは特急車両約170両と岡山・広島エリアの普通列車約430両に設ける。

無線を用いた注意喚起装置は京阪神エリア約320カ所、京阪神・広島・岡山エリア以外で約100カ所を対象とする。17年度からこれまで530カ所で整備済みで地方中心に増やす。

踏切非常ボタンや障害物検知装置の動作時に接近する列車に対してブレーキ動作させるための特発ブレーキ支援装置は大型車の停滞頻度が特に高い踏切を対象に3年ごとに整備計画を策定する。19年度からすでに25カ所に導入した。

これらで列車が通過しようとする時に踏切内に大型車が侵入していた場合に踏切までに停止させて大型車との衝突回避を図るか、速度を抑えて衝突した場合の被害低減を図る。

日刊工業新聞 2023年02月07日

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