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“想定外”トヨタ減産で苦境、ケイレツ部品メーカー4社が業績予想を下方修正

トヨタ自動車系中堅部品メーカー6社が発表した2023年3月期連結業績予想は、4社が営業・経常・当期の各利益を下方修正した。主要取引先であるトヨタ自動車の想定外の減産を受け、販売量や生産効率が落ちたほか資材やエネルギー費などが高騰しており、利益を押し下げる。コスト上昇分を売価に反映する活動が進むが、今期にすべてを補填することは難しい見込みだ。

各利益項目を下方修正したのはフタバ産業大豊工業中央発條ファインシンターの4社。「国内は当初予想と変わらないが、中国ではコロナ禍の影響で生産台数が軒並み減ってる」(中央発條の小出健太社長)、「中国など海外メーカーでは価格転嫁に対する理解が得られ難い」(大豊工業の延川洋二執行役員)、「原材料高騰のうち通期では3割が(反映できず)ダメージになる」(フタバ産業の大橋二三夫取締役)と、利益の確保が難しくなる見通しだ。

一方で、車種構成の変化や取り扱い製品の違いで、愛三工業は売上高と各利益項目を上方修正し、東海理化は据え置く。「計画より減っているが、22年10―12月は前期に比べると200億円ほど供給量は増えている」(愛三工業の加藤茂和取締役)と、自動車メーカーのニーズを着実に取り込んでいる。

22年4―12月期決算は為替の円安効果により売上高が積み上がる傾向にあり、全社で増収となったがインフレや価格転嫁の期ずれなどの影響を受け、利益は大きく落ち込んだ。


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日刊工業新聞 2023年02月03日

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