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早稲田大学が高専生の編入学制度を始める狙い

24年度開始、理工系3学部対象

早稲田大学は理工系3学部で、工学系の高等専門学校(高専)生を対象とした編入学制度(指定校推薦)を2024年度入学者から始める。全国の多様な高専から、学業成績が学科で上位1割以内などの優秀な人材を迎える。人材育成や各学科の特性に配慮し、編入学制度を設ける計9学科のうち7学科では2年次編入とした。

高専生の編入学試験制度を始めるのは、早大の基幹理工学部、創造理工学部、先進理工学部の各3学科。新しい編入学制度は、受け入れ学科と高専学科のカリキュラムの連続性や、高専での取得単位を学部卒業単位に認定する仕組みを、各学科の状況に合わせて設計した。

高専生の編入学は国立大学の3年次で多く行われている。工業高専などの出身者は中学卒業後からモノづくりや情報に関する実践教育を受けており、編入後の大学院進学を志望する例も多い。大学にとっては高校の普通科出身者と異なる経験や優れた技能が魅力で、編入後の学生交流による刺激も期待される。

早大の編入学制度の募集人数は各学科とも若干名だが、毎年一定数を受け入れる方針だ。

24年度の入学生の出願資格は24年3月に高専本科を卒業見込みで、成績優秀で同大理工を第1志望とすることなど。校長の推薦があれば、選抜は面接のみで行われる。

日刊工業新聞 2023年01月31日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
高専生の編入学は当初、豊橋技科大と長岡技科大が定番で、その後は国立の研究大学で広がった。某中堅国立大工学系では高専ルートが8%ほどだと耳にしたほどだ。個人的には「高専生が『旧帝大への編入の方がカッコイイ』と思うのはおかしくないし、中学卒業から国立高専で5年間やってきたのだから、その先で学費のかかる私立大学という選択は、どうだろうか?」と思った。もっとも早大は奨学金も多種多様に持っているし、大学カラーもはっきりしているから、「ぜひ早大に!」という高専生を確保できると踏んでいるに違いない。

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