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事業再構築を進める内田洋行、25年以降の社会構造変化を見据える

内田洋行が事業の再構築を進めている。同社はオフィス関連、文教関連、これらと密接に関連する情報通信技術(ICT)関連など、他社にはまねできない事業と強みを持つ。2014年の就任時から改革に取り組んで来た大久保昇社長は「持っている強みにさらに踏み込んでいく」とする。

同社の事業セグメントは公共関連事業、オフィス関連事業、情報関連事業などで構成する。市場要因による変動があるが、22年7月期は情報関連事業の売上高が約970億円と最も大きい。文教関連やオフィス関連事業などとICTのシナジーが同社の特徴だ。

大久保社長は「バブル崩壊時の選択と集中で、ノンコアとなった部分に力がついてきた」と話す。当時、市場の大きい事業を選択して小さい事業を分社化などにより再編。それが「ありがちだが、大きいほうは縮小し、小さい方が伸びていった」と笑う。実際に当時はまだ小さかったICT分野は、現在では同社の経営を支える中核事業に成長した。

大久保社長は就任後の改革の中で、15年には当時の3本部制を廃止。組織をフラットに並べて動きやすくした。これにより「関係会社も従来と異なる本部とつきあい、流動化できた」(大久保社長)。現在は25年以降を視野に入れた中核事業の再編を進めており、5月には上場子会社でICTのアフターサポート事業を手がけるウチダエスコを完全子会社化。GIGAスクールなど教育現場におけるICT導入が加速する中、キッティングサービスの提供などで事業をいっそう強化するのが狙いだ。

21年7月に実施した「統括」の設置も事業再構築の一環。地域施設統括、ICTエンジニア統括、公共ICT統括などが組織を超えてグループを結び、新たな事業展開を目指す。今後の再編戦略について大久保社長は「関係会社も含めて組み替える。大小ではなく、個々のビジネスの強みが大事。時間をかけ過ぎず、10年先を見ながら進める」としている。

日刊工業新聞 2022年12月15日

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