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「黒物家電」出荷額が3年連続前年割れの要因

電子情報技術産業協会(JEITA)が発表したテレビなどの黒物家電を主とする民生用電子機器の2022年の国内出荷額は、前年比4・8%減の1兆2492億円となり、3年連続で減少した。上海でのロックダウン(都市封鎖)による供給制約のほか、物価上昇により消費者の購入意欲が落ちたことが要因。22年後半には一部製品で出荷額が回復した時期があったものの、物価高を背景に需要の回復には時間がかかる見通しだ。

22年の出荷額は、テレビを含む映像機器が同8・3%減の5840億円。薄型テレビが同10・6%減の4559億円だった。「22年の春先に起きたロックダウンにより、在庫が不足する状況になった」(JEITA)と振り返る。

他方、テレビに関しては22年後半にかけて「新モデルの発表などで上向いた」(同)。実際に、「有機ELテレビの個人利用という新たな市場を開拓できたほか、55型以上の大型テレビも需要が伸びた」(LGエレクトロニクス・ジャパン)との声もある。

ただ、JEITAは「物価高による消費者マインドの減衰は、23年も続くのではないか」と推測する。映像機器やオーディオ関連機器は当面、厳しい状況が続くとみている。


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日刊工業新聞 2023年1月26日

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