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淀川ヒューテック、中国で生産能力1.5倍

リチウム電池用封止材など、アジア向け需要増
淀川ヒューテック、中国で生産能力1.5倍

中国の第1工場。近隣に第2工場を設ける

淀川ヒューテック(大阪府吹田市、小川克己社長)は、2024年度に中国に工場を新設する。現地政府から土地と建屋を借り受け、約10億円を投じてクリーン環境への改修、新設備を導入し、同国でのリチウムイオン電池(LiB)用封止材と半導体向け薬液タンク用腐食防止シートの生産能力をそれぞれ現状比1・5倍に増強する。既存の工場と併せて、同国を中心に拡大するアジア各国の旺盛な需要に対応する。

淀川ヒューテックは15年に常熟淀川恵徳塑料制品(江蘇省)を設立し、第1工場を完成した。今回はその近隣に第2工場として稼働する。両工場でLiBパックの密封に必要な封止材や、半導体向け薬液搬送タンクの腐食を防ぐライニングシートを生産する。

淀川ヒューテックのLiB用封止材は熱プレスにより製造する。長期にシール機能を発揮するのが特徴で、車載電池メーカーからの評価が高いという。

また、ライニングシートはタンク内面に貼ることで薬液による腐食を防ぐ。一般的な樹脂の製膜と異なり、フッ素樹脂を円柱状にプレス成形後、シート状に削り出して作られる。

今回の増強により、中国での売り上げを22年の約1億元(約19億円)から1億5000万元(約28億円)に引き上げる。

日刊工業新聞 2023年01月20日

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