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自宅の庭にドローン着陸場、個人配送実現へ検証が始まる

自宅の庭にドローン着陸場、個人配送実現へ検証が始まる

北海道上士幌町でのドローン宅配。宅配物を自宅庭で受け取る

エアロネクスト(東京都渋谷区、田路圭輔社長)は、飛行ロボット(ドローン)による個人住宅向けの配送をにらみ、着陸場となる「ドローンスタンド」の展開に乗り出す。3月にも第1弾の製品を開発、引き続き複数機種のスタンドを開発予定。住宅メーカーや宅配運送会社などと共同で利便性を検証し、2024年の実サービス開始を視野に入れる。23年は全国40自治体、24年は300程度の自治体とドローン物流サービス開始を予定しており、これにスタンドを連携させる。

エアロネクストはセイノーホールディングス(HD)と組んで、山梨県小菅村など5自治体でドローンと宅配トラックを組み合わせた配送サービスを始めている。

開発を進めるドローンスタンドは2・5メートル程度の大きさで、長方形型や円形など複数種を試作中。複数種類用意するのは、提携する住宅会社や宅配運送会社により仕様が異なるためだ。

小菅村などでの実サービスを通じ、「利用者の要望として、共同配送拠点(デポ)での荷物受け取りではなく、戸別配送を求める声が予想以上に多いことが分かった」(田路社長)。開発したスタンドは一戸建て住宅の庭などに置いて宅配物を受け取ることを想定。ドローンへの給電や荷物切り離しなどの機能はあえて持たせず、着陸機能のみに絞ることでコストを引き下げ、一般個人の利用を可能にする。

実際のサービスではドローンを決まった時刻に運航する定期便形式ではなく、荷物を受け取る個人が宅配会社などに希望する時間を連絡し、自宅庭にスタンドを置いてドローン到着を待つイメージ。ドローン機体は物流用としてエアロネクストが展開する「エアートラック」のほか、有人地帯の目視外飛行(レベル4飛行)用としてACSLが国に認証を申請した機体の活用も想定している。

日刊工業新聞 2023年01月12日

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