「ねんどろいど」、生誕10年目のお相手は初音ミク
ユカイ工学がロボットドールを開発
ユカイ工学(東京都新宿区)は、同社の手のひらサイズで踊れるロボットドール「iDoll(アイドール)」と、グッドスマイルカンパニー(同千代田区)のフィギュア「ねんどろいど」とのコラボレーションモデル「HATSUNE MIKU(初音ミク) by iDoll×Nendoroido」を開発した。
ねんどろいどの生誕10周年を記念して、発売を視野に入れて製作した。本体と土台の高さは計21センチメートル。コミュニケーションを重視し、音声認識技術で簡単な会話が可能。アイドールの機能で、内蔵スピーカーから音楽を流しつつダンスや一発ギャグを披露する。
「初音ミク」などの人気キャラクターを模した「ねんどろいど」と呼ばれるフィギュアの製造・販売や、ソーシャル(参加交流型)メディアの活用で急成長を遂げたグッドスマイルカンパニー(東京都墨田区)。創業から12年。業界の常識を打ち破り、ガレージキット(少量生産の模型)だったフィギュアを量産品にするとともに、インターネットによる予約販売でファンの心をつかんできた。そのパワーの源泉にはモノづくりへのこだわりが脈打つ。
フィギュアの魅力は精密な彫刻や繊細な色使いにあるが、一品生産ゆえに量産は困難とされていた。さらに作品寿命が短いにもかかわらわず、当時のフィギュア業界は在庫販売が中心で、しかも新作の案内などの情報提供が十分でなかった。
「これでは商売にならない」(安藝貴範社長)と一念発起。難易度が高かった金型による樹脂成形をフィギュアの製造に持ち込み、量産化によるコスト低減に挑んだ。同時に「販売店をこまめに回って商品情報を提供しながら注文をとり、予約販売のベースを作った」(安藝社長)。この両面作戦が功奏し、業界に新風を吹き込んだ。
2004年に初の自社ブランド品を投入。05年に同業と共同出資で中国に工場を立ち上げ、事業の足場を固めた。06年には満を持して、人気商品の「ねんどろいど」のシリーズ化に乗り出した。
予約販売の時期は出荷の10カ月前。アニメが放送する1年前から商品企画に入るため、「売れるか否かは毎回、賭けをしているようなもの」(同)という。とはいえ、取り扱いアイテムは相手先ブランド生産(OEM)を含め年間400―500点にのぼり、精緻なデザインと愛らしいデザインは絶大な人気を博している。
安藝社長は「フィギュアを手元に置くことで作品がさらに好きになる。副次効果で作品の寿命が延び、作品の収益率も上がる」と相乗効果を強調する。
日本のコンテンツは海外では人気だが、違法コピーが多数出回っているのが現実。フィギュアを海外販売すれば間接的にその一端を回収でき、作者の収入にも貢献できる。
「世界と戦えるような作品にはきちんと予算をつけたい。これは私の目標だ」と熱く語る。海外売上高は全社構成比15%。新成長も求めて、海外展開に力を入れる方針だ。(編集委員・斎藤実)
ねんどろいどの生誕10周年を記念して、発売を視野に入れて製作した。本体と土台の高さは計21センチメートル。コミュニケーションを重視し、音声認識技術で簡単な会話が可能。アイドールの機能で、内蔵スピーカーから音楽を流しつつダンスや一発ギャグを披露する。
「ねんどろいど」誕生秘話
日刊工業新聞2013年7月22日
「初音ミク」などの人気キャラクターを模した「ねんどろいど」と呼ばれるフィギュアの製造・販売や、ソーシャル(参加交流型)メディアの活用で急成長を遂げたグッドスマイルカンパニー(東京都墨田区)。創業から12年。業界の常識を打ち破り、ガレージキット(少量生産の模型)だったフィギュアを量産品にするとともに、インターネットによる予約販売でファンの心をつかんできた。そのパワーの源泉にはモノづくりへのこだわりが脈打つ。
フィギュアの魅力は精密な彫刻や繊細な色使いにあるが、一品生産ゆえに量産は困難とされていた。さらに作品寿命が短いにもかかわらわず、当時のフィギュア業界は在庫販売が中心で、しかも新作の案内などの情報提供が十分でなかった。
「これでは商売にならない」(安藝貴範社長)と一念発起。難易度が高かった金型による樹脂成形をフィギュアの製造に持ち込み、量産化によるコスト低減に挑んだ。同時に「販売店をこまめに回って商品情報を提供しながら注文をとり、予約販売のベースを作った」(安藝社長)。この両面作戦が功奏し、業界に新風を吹き込んだ。
2004年に初の自社ブランド品を投入。05年に同業と共同出資で中国に工場を立ち上げ、事業の足場を固めた。06年には満を持して、人気商品の「ねんどろいど」のシリーズ化に乗り出した。
予約販売の時期は出荷の10カ月前。アニメが放送する1年前から商品企画に入るため、「売れるか否かは毎回、賭けをしているようなもの」(同)という。とはいえ、取り扱いアイテムは相手先ブランド生産(OEM)を含め年間400―500点にのぼり、精緻なデザインと愛らしいデザインは絶大な人気を博している。
安藝社長は「フィギュアを手元に置くことで作品がさらに好きになる。副次効果で作品の寿命が延び、作品の収益率も上がる」と相乗効果を強調する。
日本のコンテンツは海外では人気だが、違法コピーが多数出回っているのが現実。フィギュアを海外販売すれば間接的にその一端を回収でき、作者の収入にも貢献できる。
「世界と戦えるような作品にはきちんと予算をつけたい。これは私の目標だ」と熱く語る。海外売上高は全社構成比15%。新成長も求めて、海外展開に力を入れる方針だ。(編集委員・斎藤実)
日刊工業新聞2016年2月5日 ロボット面