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トヨタ・ホンダ・日産…新車販売2桁減、中国市場の苦難

トヨタ・ホンダ・日産…新車販売2桁減、中国市場の苦難

スバルは11月から米国で新型EV「ソルテラ」の納車を始めた

11月の米国と中国の2大自動車市場は、コロナ禍の影響で明暗が分かれた。日系車メーカー4社合計の米国の新車販売台数は、前年同月比11・6%増の約33万台と、3カ月連続で増加した。一方、日系車6社合計の中国新車販売は同36・4%減の約27万台と、2カ月連続で減少。新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動制限の影響などで、一部地域で生産や販売が滞った。(西沢亮)

米国のメーカー別の新車販売は、トヨタ自動車が同10・2%増と3カ月連続、SUBARU(スバル)が同51・7%増と4カ月連続、マツダが同30・6%増と2カ月連続で増加した。前年同月は半導体不足に伴う生産制約で販売が低調だったが、3社とも2ケタを超える伸びとなった。

一方、生産制約などの影響が続くホンダは同6・1%減となったが、減少率は過去16カ月間で初めて1ケタ台へと縮まった。

調査会社のマークラインズによると、11月の米市場全体の新車販売台数(推計値を含む)は、同11・3%増の約114万台と、4カ月連続で増加した。米国の車メーカーでは、ゼネラル・モーターズ(GM)が同40・5%増の約20万台、フォード・モーターが同7・9%減の約14万台、テスラが同17・8%増の約4万台だった。

一方、中国のメーカー別の新車販売は、日系の車6社すべてが前年割れとなった。トヨタは同18・4%減と6カ月ぶりに減少。11月中旬から新型コロナの影響が全国に広がり「一時停止を含む営業制限店舗が拡大し、来店するお客さまも大幅に減った」(同社)。

ホンダは同42・8%減と3カ月連続のマイナス。湖北省武漢市の合弁工場では、コロナ対策のため従業員の多くが出社できず、11月に2日間稼働を停止した。日産自動車は同52・5%減と4カ月連続で減少。同社幹部は「主要都市での感染症流行状況の悪化や部品供給不足など、長引く逆風の影響を受け続けている」とした。

中国汽車工業協会によると11月の中国市場全体の新車販売は同7・9%減の約233万台と、6カ月ぶりに減少。うち電気自動車(EV)は同67・4%増の約62万台だった。

同協会は2022年の中国の新車販売台数が、前年比2%増の2680万台になるとの予測を9日に発表。23年は22年予測比3%増の2760万台を見込むとした。中国政府は12月に入りコロナ対策の緩和を進めるが、景気減速の影響などが懸念され、23年も販売の増加傾向が続くかは不透明と言えそうだ。


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日刊工業新聞 2022年12月26日

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