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再生部品に「水性塗料」活用、日立建機は扱いにくい課題をいかに解決したか

再生部品に「水性塗料」活用、日立建機は扱いにくい課題をいかに解決したか

再生部品の油圧ポンプに水性塗料を塗る

日立建機は2023年1月から、土浦工場(茨城県土浦市)で生産している再生部品の一部に水性塗料を使用する。環境負荷低減に貢献する取り組みの一環で、水性塗料の活用は同社初。対象部品は油圧ショベルの油圧ポンプやセンタージョイント、走行・旋回モーター。油性塗料から水性塗料への変更により、塗装時の揮発性有機化合物(VOC)排出量を80%、二酸化炭素(CO2)排出量を22%減らせるという。

水性塗料は油性塗料よりVOC含有量やCO2排出量が少なく、大気汚染や健康被害のリスクを軽減できるほか経年劣化にも強い。その半面、日光に長時間当たると色あせやひび割れが生じてしまうことに加え、塗装作業が気温や湿度などの環境要因に左右されるため扱いにくいといった課題があった。

土浦工場で再生し水性塗料による塗装を施した油圧ポンプ

こうした課題に対し、外観に影響を与えない機械内部の部品に塗装を限定し、塗装時に使用するスプレーガンと塗装部品との距離の調節などで水性塗料の活用を可能にした。

VOC排出量抑制については19年度に、同社グループ全体で使う塗料を見直し、より隠蔽(いんぺい)性の高い塗料にする取り組みを実施した実績がある。



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日刊工業新聞 2022年12月22日

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