誤差2センチメートル程度、ほぼ完璧に自動で着岸する「ぴたっとボート」の仕組み
ニュージャパンマリン九州(大分県国東市、山本茂社長)は、準天頂衛星「みちびき」の測位情報を活用した安心・安全な自動着岸システム搭載のプレジャーボート「ぴたっとボート」(仮称)の販売に乗り出す。2020年2月、22年2月の2回にわたり、内閣府の実証実験を実施済みで工夫と改良を加え、量産化を決めた。発売は23年7月。全国6社ある販売代理店と親会社のニュージャパンマリン(三重県伊勢市)ホームページで受け付ける。
ぴたっとボートは、ニュージャパンマリン九州製プレジャーボート「NSB335」に自動着岸システムを搭載し販売する。1隻の価格は同システム込みで4400万―4500万円(消費税抜き)。
基本機能は定点保持、360度平行移動、その場旋回、風に対する自動位置補正、みちびきによる自動操船、自動離着岸、現在位置記憶など。電動スラスターを前方に1基、後方2基の計3基使用することで、全方位への安全な平行移動が可能となった。単独測位受信機とアンテナ2セット、専用バッテリーを積む。
出航前、ボートに着岸位置を覚え込ませておくことで、ベテラン操縦者でも難しい着岸を誤差2センチメートル程度とほぼ完璧に安全に自動着岸する。
量産化に伴い、若手社員の採用を今後1、2年で5―10人ほど増やす計画。「最終製品になって出荷するのでやりがいがある。モノづくりに興味がある人はぜひ来てほしい」(山本社長)。
日刊工業新聞 2022年12月14日