立体造形物に電子回路、早大などが光造形3Dプリンターと無電解メッキ融合
早稲田大学の梅津信二郎教授とシンガポール南洋理工大学の佐藤裕崇教授らは、3Dプリンターの立体造形物上に無電解メッキで配線を作ることに成功した。金属イオン含有樹脂を立体造形して、この表面にメッキする。標準樹脂と組み合わせると特定の箇所に配線でき、複雑な立体電子回路を作れる。
複数の樹脂を立体造形できる光造形3Dプリンターを開発した。標準の光硬化性樹脂と金属イオン含有樹脂を組み合わせて立体造形する。金属イオンを足がかりに無電解メッキで金属の配線層を形成する。立体造形の解像度は40マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。配線を引く部分を樹脂の種類として選べるため、造形物内部の表面にも形成できる。表面にメッキする技術はあったが、特定の部位を選んで配線を引くことが難しかった。
電子部品を支える構造部品と配線部品の設計の自由度が3Dに広がる。電子部品を立体的に集積できるため、ロボットの小型化や高機能化につながる。
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日刊工業新聞 2022年12月05日