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日産が「セレナ」HVに搭載、1400㏄新エンジン開発の狙い

日産自動車が排気量1400ccの新型ガソリンエンジンを開発していることが明らかになった。まずミニバン「セレナ」の新型ハイブリッド車(HV)に搭載し2023年に国内で発売する。脱炭素に向け電気自動車(EV)シフトは進むが、その速度は地域や車種ごとに異なり、エンジン技術の重要性は高い。独自HV技術「eパワー」の主力エンジンとして同1400ccの搭載車種を広げる。26年度に欧州、日本、中国でEVとHVを合わせた電動車の販売比率を40%以上に引き上げる。

日産はEVとeパワー搭載のHVを電動車戦略の柱と位置付け経営資源を投入。26年度までに電動車の新型車を20車種導入し、電動車の販売比率を欧州で75%(21年度は12%)以上、日本で55%(同39%)以上、中国で40%(同約4%)以上にそれぞれ高める方針を掲げる。排気量1400ccの新エンジンの開発で、eパワー搭載車の商品力向上、品ぞろえの拡充、海外展開などを加速し、電動車の販売を拡大する。

日産は16年に小型車「ノート」に排気量1200ccエンジンを採用したeパワーを初めて搭載。22年7月にはスポーツ多目的車(SUV)「エクストレイル」に同1500ccの可変圧縮比エンジンを採用したeパワー搭載の新型HVを発売した。同エンジンは圧縮比を8―14に変えることで、同1500―2800cc相当のエンジン性能を発揮でき、中型以上の車種へのeパワー搭載を実現した。

同1400ccの新エンジンを投入することで、従来のeパワーの品ぞろえを強化し、地域で異なる電動車ニーズにきめ細かく対応することが可能になる。

日産は連合を組む仏ルノーと資本関係を含めたアライアンス(連携)の見直し協議を進めている。ただ、ルノーはEVや駆動装置事業を分社化し、他社との連携を進める計画を8日に発表。関連して日産はeパワーの競争力を左右するエンジンなどの知的財産を第三者と共有するリスクを慎重に見極めており、連携協議の進展にも影響を与えている。


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日刊工業新聞 2022年11月16日

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