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日産系部品メーカー6社が営業益下方修正の背景

日産自動車との取引が多い部品メーカー6社の2023年3月期連結業績予想は、半導体不足による自動車の減産や材料価格の高騰、エネルギーコスト上昇などにより全社が営業利益を下方修正した。為替の円安が上振れ要因となり4社が売上高を上方修正したものの、原材料の高騰影響などを吸収しきれていない。引き続き合理化、経費削減や製品価格転嫁などで、コスト上昇分をいかに打ち返せるかが焦点となる。

円安傾向などにより売上高を上方修正したのはユニプレス、河西工業、ヨロズ、ファルテック。ただ減産や費用増で円安のメリットが相殺されている状況だ。ファルテックは樹脂やステンレス、メッキなどの高止まりが響いた。ヨロズは「集購材である鋼材は価格転嫁できているが、輸送費や労務費などに影響が出ており、今後交渉していく」とする。

23年3月期に営業黒字化を目指していた河西工業は、特に北米地域で原材料・物流費や新規車種立ち上げ費用が増加するなどし、3期連続の大幅な営業赤字となる見込み。パイオラックスは「第2四半期以降の生産台数が予測していたよりも伸びなかった」とし、上期の業績を反映して売上高、各利益項目とも下方修正した。アルファは当初の受注想定を下回る見込みで、売上高予想を据え置いた。

日産は部品サプライヤーに対し、従来の原材料費高騰分の支援に加え半導体や電力、物流コストに関しても22年度から対応。価格転嫁のほか各社が収益向上に向け手を打つ。ファルテックは生産ロスの低減のため改善活動に取り組む方針。パイオラックスは安価な代替材料への切り替えを進めている。ヨロズは受注動向に合わせた最適な生産を徹底し、経費削減を図る。


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日刊工業新聞 2022年11月15日

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