薬価引き下げも…医薬品卸4社が全社増収の理由
医薬品卸4社の2022年4―9月期連結決算が11日出そろい、医療用医薬品の卸売事業が好調で全社が増収、営業増益となった。薬価引き下げなど厳しい環境要因があったものの、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う受診の抑制が緩和され、業績が回復しつつある。23年3月期も全社が増収を見込む。スズケンは販売価格の見積もり方法を変えたため、増減率は明らかにしていない。
メディパルホールディングス(HD)はコロナ関連の検査機器や抗原検査キットの販売が伸びた。一方、「物価高騰による消費者の低価格志向への対応として販促施策を強化した」(渡辺秀一社長)ことなどがかさみ、経常減益となった。
アルフレッサHDも診断薬などの「メディカル品」の需要が拡大し、また独占禁止法違反による医療機関における入札指名停止期間が終了したこともあり業績が上向く。
同日発表したスズケンと東邦HDもそろって増収増益。スズケンは抗悪性腫瘍剤の市場拡大や希少疾患向けなどの「スペシャリティー医薬品」の新薬販売増、東邦HDはコロナ関連製品の売り上げ増がそれぞれ寄与した。
日刊工業新聞 2022年11月12日