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“次世代2ナノ”半導体量産へ、新会社「Rapidus」に経産省が700億円

“次世代2ナノ”半導体量産へ、新会社「Rapidus」に経産省が700億円

経済産業省

経済産業省は11日、次世代半導体の製造技術開発事業の採択先を、トヨタ自動車ソニーグループなど日本の主要企業8社が共同で設立した「Rapidus(ラピダス)」に決めたと発表した。開発予算は700億円。また、東京大学などが参画する次世代半導体の技術研究組合を年内に発足すると発表。経済安全保障の重要性が高まる中で、「ビヨンド2ナノ」と呼ばれる次世代半導体の産業基盤を国内で構築するために、製造と研究開発の体制を整える。

ラピダスはトヨタ、ソニーグループ、NTTソフトバンクデンソーNECキオクシアが10億円、三菱UFJ銀行が3億円出資し、8月に発足した。米IBMとの日米連携体制の下で回路線幅2ナノメートル(ナノは10億分の1)のロジック半導体の集積化技術や製造技術開発を進める。27年の量産化を目指す。

年内に発足する技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)には、東大のほか、東京工業大学産業技術総合研究所などが参画。最先端の回路設計技術や素材開発などを担う。ラピダスと連携し国内量産体制の構築を目指す。米国立半導体技術センター(NSTC)など国内外の組織とも広く連携する方針。

ビヨンド2ナノをめぐっては、米インテルや台湾積体電路製造(TSMC)、韓サムスン電子が実用化を進めており、開発競争が激しくなっている。


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日刊工業新聞20220年11月12日

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