全固体電池の課題解決!?、加圧部品が要らない“柔固体”電池がスゴい
住化・京大・鳥取大が開発に成功
住友化学は、京都大学や鳥取大学と共同で、電池作動のための加圧部品が不要で、柔軟性のある高分子固体電解質電池の開発に成功した。1キログラム当たり230ワット時の容量で、安定作動を確認。電池の動作に必要な部品点数を抑えられ、大幅なコスト削減につなげられることが期待される。
新たな固体電解質を3者で開発した。加圧することなく電極との界面を接合し、イオンの流れを円滑にすることで実現した。研究を進め、2024年めどに1キログラム当たり500ワット時の容量達成を目指す。
先行研究の全固体電池は、リチウムイオン二次電池の電解液を固体にしたものが主流。硫化物系無機化合物を基本としているため硬い。このため電池セルを加圧させ、固体電解質と電極との界面を接合させて電池を作動させている。この方法では加圧に必要な部品の重量が増え、コストがかさむなどの課題があった。
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日刊工業新聞 2022年11月08日