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防衛関連受注も狙う、「水陸両用ドローン」の実力

FPVロボティクス(東京都渋谷区、駒形政樹社長)は、JR東日本やOKIと共同開発した水中測深用の水陸両用型飛行ロボット(ドローン=写真)を2023年から他方面へ展開する。安全保障上の観点から中国製ドローンを忌避する動きが強まっていることを背景に、港湾測量や電力会社、自治体などに売り込む。防衛関連の受注も狙う。

同ドローンは豪雨災害などで河床が掘り起こされ橋脚がむき出しになる「洗掘」の調査を主目的に開発した。外形寸法は縦2×横2×高さ1メートル程度の大きさ。マルチビーム測深機の音波探査により、水中の状態や地形を調査する。音波を用いるため水深50―100メートル前後の深さまで調査できる。港湾施設やインフラの多くが老朽化していることから、新たにこれらの調査用として拡販を目指す。

発光ダイオード(LED)照明を備えた水中探索ドローンも登場しているが、水中は泥や藻類で濁るため周囲が見えにくく、利用範囲は限定される。また水上のボートなどから有線で電力供給するケースの場合、離れた場所では使えないほか、水中の障害物にケーブルが絡まり使用不能になる恐れもある。

FPVロボのドローンは電源にリチウムポリマー電池を使用。「距離や水中の障害物によるトラブルの心配がなく、短時間で広範囲を探索できる」(駒形社長)としている。着水は繊維強化プラスチック(FRP)製のフロートで行う。全備重量を30キログラムに抑え、重量のあるマルチビーム測深機を搭載しても機体が揺れないよう設計に工夫を凝らした。

日刊工業新聞 2022年10月27日

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