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“難題”赤色実現、徳島の中小企業が可視光のマイクロLED高効率発光に成功

“難題”赤色実現、徳島の中小企業が可視光のマイクロLED高効率発光に成功

ナイトライド・セミコン、可視光のマイクロLED高効率発光に成功

ナイトライド・セミコンダクター(徳島県鳴門市、村本宜彦社長)は、従来のマイクロ紫外線(UV)発光ダイオード(LED)のピーク波長となる385ナノメートル(ナノは10億分の1)に加えて、可視光(赤、緑、青)のマイクロLEDの高効率発光に成功した。難しいとされる赤色LEDの発光は窒化インジウムガリウム(InGaN)で実現した。今後の普及拡大が見込まれる仮想現実(VR)グラスへの適用などを想定している。

赤色LEDは従来のガリウムヒ素(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)の材料ではなく、InGaNでチップサイズ24マイクロ×48マイクロメートル(マイクロは100万分の1)の赤色の発光に成功した。可視光マイクロLEDのピーク波長は赤(R)が620ナノメートル、緑(G)が同510ナノメートル、青(B)が450ナノメートル。

ナイトライドは有機金属化学気相成長(MOCVD)装置でサファイア基板上に成長させたInGaN系R、G、B、UVのマイクロLEDチップのサンプルキットを2023年1月から供給する。1ブロック17ミリ×13ミリメートルのサイズでR、G、B、UVの4種類の波長の各1ブロックずつが1セットとなる。1セット100万円(消費税抜き)程度で発売を予定する。

マイクロLEDを開発する海外メーカーも多いが、赤のチップが供給されないケースは少なくないという。村本社長は「当社はUVでRGB蛍光体の励起を推奨しているが、マイクロLEDを開発中の企業にRGB3種類のチップを供給するビジネスも可能性があると判断した」としている。

日刊工業新聞 2022年10月27日

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