ニュースイッチ

京セラが100億円投資、生産技術の新拠点の全容

京セラが100億円投資、生産技術の新拠点の全容

滋賀野洲工場

京セラは2024年度をめどに、約100億円を投じて滋賀野洲工場(写真、滋賀県野洲市)に若手生産技術者の育成機能を持たせた研究開発拠点を設ける。全国の事業所から入社3年目程度までの若手技術者を必要に応じて長期出張などで集め、10数人から成るチームを複数構成し研修や技術開発を進める体制を構築する。モノづくりの高度化に伴い、生産技術に必要な知識や能力が多様化していることに対応する。

新拠点は6階建てで延べ床面積が2万6300平方メートル。生産設備開発フロアなどを整備する。コアコンポーネントや電子部品などの各事業部に加え、生産技術開発統括部や精機事業部といった生産技術関連の部門の若手技術者を対象とする。

装置設計やソフトウエア開発、次世代生産技術に欠かせないIoT(モノのインターネット)技術など、生産技術に関わる幅広い若手を集め、交流しながら開発に取り組む。

同社は材料技術などを研究する「きりしまR&Dセンター」(鹿児島県霧島市)や、ソフトウエアなどを研究する「みなとみらいリサーチセンター」(横浜市西区)などを相次いで設立し、これまで分野ごとに技術者の集約を進めてきた。

今回の生産技術の新拠点では、異なる専門分野を持つ技術者との連携や研修と、配属地での勤務を両立させることも狙い。谷本秀夫社長は「社員には共働きの家庭が多く、会社としても転勤という指示を出しにくい。必要に応じて出張する形式に変えていかなければならない」とする。

日刊工業新聞 2022年10月26日

編集部のおすすめ