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供給不足が深刻化、「中古車」競売の成約単価の上昇が止まらない

供給不足が深刻化、「中古車」競売の成約単価の上昇が止まらない

USSのオートオークション会場(同社提供)

中古車の供給不足が深刻さを増している。日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめた2022年度上期(4―9月)の中古車登録台数は、前年同期比5・1%減の170万5100台と3年連続で減少した。半導体や部品不足を背景とした減産により新車販売が停滞し、品薄が長期化。“玉不足”に加え為替の円安もあり、競売の成約単価も上昇し続けている。(増田晴香)

車種別の登録台数は、乗用車が前年同期比5・0%減の147万8159台。このうち普通乗用車は同3・4%減の87万4676台、小型乗用車が同7・3%減の60万3483台。トラックは同6・9%減の18万2058台で、内訳は普通貨物車が同6・7%減の8万604台、小型貨物車が同7・1%減の10万1454台だった。

9月単月の登録台数は、前年同月比6・1%減の28万6822台。16カ月連続で前年同月を下回った。10月以降の見通しについては「新車販売の状況が変わらないので引き続き厳しいのでは」(自販連)とみている。

中古車競売価格も上昇傾向が続いている。中古車競売大手のユー・エス・エス(USS)によると、9月の成約車両単価は同32・3%増の122万1000円と28カ月連続のプラスで着地。過去最高値を更新した。同社は「新車の納車遅れによる需給の逼迫(ひっぱく)や、円安による輸出向け中古車の単価上昇などが要因と思われる」と分析。4―9月では前年同期比25%増の108万5000円だった。

日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)がまとめたJU系オートオークション会場の9月の平均落札価格も、前年同月比24・6%増の41万2000円と大幅に高騰。JU中販連は「各会場で状況が異なるが品薄の影響が大きい」とした。

今後の中古車需要についてUSSは「9月の新車登録台数を見ると新車生産は徐々に回復に向かっている。今後は需給バランスが均衡に向かい、価格も平常化するのでは」とする一方、「円安の影響もあるので見通しがつきにくい」とコメントした。

日刊工業新聞 2022年10月26日

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