旭化成が欧州独自のデモカー作成、車載品販売倍増へ
旭化成は欧州の完成車メーカーへの車載製品の新たな販促施策として、欧州独自のデモカーを作成する。先端の市販車を改造して同社の内装素材や二酸化炭素(CO2)センサーなどのデバイス類を搭載し、新車開発担当者らに体感してもらうことで製品のコンセプトや利点の訴求力を高める。2023年度をめどに完成させ、お披露目する。
現地法人の旭化成ヨーロッパ(ドイツ)を中心に、デモカー以外の施策も含め完成車メーカーとのコミュニケーションを強化し、共同開発などに一層注力する。欧州自動車市場向け売上高を現在の数億ユーロから30年に約2倍へ引き上げを目指す。
旭化成は完成車メーカーへの訴求力を高めるためコンセプトカーを作成しており、最新の「AKXY(アクシー)2」を5月に公開した。欧州独自のデモカーは公道を走行できる車を使うことで、コンセプトカーに比べ近い将来の自動車技術を実感できるとみられる。自動車の走行に関わる部品は改造しない。
CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)を軸とする技術変革を前に、欧州自動車メーカーは先進技術の採用に積極的な姿勢を取る。旭化成は素材と完成車との直接の共創が増えるとみて、完成車とのコミュニケーション強化に注力している。
日刊工業新聞 2022年10月25日