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交通規制期間を半減、大林組が開発したコンクリ床版橋更新のスゴい工法

交通規制期間を半減、大林組が開発したコンクリ床版橋更新のスゴい工法

工場で製作するプレキャストセグメントを利用する

大林組は老朽化したコンクリート中空床版橋の更新工事で、従来の打ち替え工法に比べ交通規制が必要な期間を半減できる工法を開発した。すべての部材を工場で仕上げるプレキャストコンクリート(PCa)セグメントを使い、幅員方向での分割施工にも対応できる。PCaセグメントはプレストレストコンクリート構造とすることで、耐久性の向上と軽量化も実現した。

コンクリート中空床版橋に対する独自の架け替え工法「ホローワル」として訴求する。更新工事では既設の床版橋を撤去後、工場で作製したPCaセグメントを設置。架け替えの場合は橋脚と床版橋をつなぐ支承を分離できる構造にし、交通規制前に取り換えを済ませる。これにより、交通規制中の作業を既設床版橋の撤去とPCaセグメントの設置のみに限定できる。

新工法では幅員方向に分割した場合も構造体としての強度を保てるため、2分割での施工や上下線を活用する3分割施工など一部の車線を供用しながらの施工が可能になる。分割施工したPCaセグメントは、常温硬化型の超高強度繊維補強コンクリートを使って床版部で接合する。

揚重作業は専用の架設機で行うため、大型クレーンやヤードの設置も不要になるという。

日刊工業新聞2022年10月20日

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