富士電機が外食向け12年ぶり再参入、コーヒーマシン市場開拓の勝算
富士電機は業務用の汎用コーヒーマシン市場に約12年ぶりに再参入する。2023年6月に金属フィルターを使うドリップ式の新製品を投入する。紙製フィルターの使用やメンテナンスの手間を減らし、ランニングコストを抑える。1杯(約160ミリリットル)の抽出時間は約40秒。消費税抜き価格は130万―140万円の予定。商社や飲料メーカーなどのルートを通じ、外食やオフィス、ホテルといった業種に年1000台の販売を目指す。
富士電機は紙コップ式のコーヒー自動販売機を手がけるほか、12年から大手コンビニエンスストア向けのコーヒーマシンを展開している。オフィスや外食向けの汎用製品は外食店などの需要変化に伴って、11年に販売を終了していた。
新製品はこれまでのコーヒーマシンのノウハウを生かして味と使いやすさにこだわった設計とし、汎用品市場の再開拓を狙う。
試作機をベースに開発を進め、23年に製品化する。マシン内でコーヒー豆を挽き、金属製フィルターで抽出する。豆の種類に合わせて蒸らしや抽出の時間を変更できる。タッチパネルで操作し、マイボトルなどに500ミリリットルの大容量を抽出することも可能。ミルクを注入する機能は汎用性を持たせて、後から追加する。
三重工場(三重県四日市市)で量産する。保守やメンテナンスは販売を担う商社のほか、コンビニ向けなどで展開している自社サービス網を活用する。
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日刊工業新聞2022年10月13日