ドローン活用で地雷原探知、防衛省が民生機で実証
防衛省は飛行ロボット(ドローン)を地雷原探知に活用する技術の研究開発を始めた。現状の地雷探知業務は自衛隊員が携帯型探知機を使い地雷原ゾーンに直接進入して行っているため爆発の危険が伴う。センシング技術を用いて上空から地雷場所を探知できれば人命に関わるリスクを大幅に低減できる。地雷検知に加えて、災害派遣で火山灰に埋もれた被害者の捜索などでの利用も見込んでいる。
地中を透過するマイクロ波を上空から照射して地雷を探知し、全地球測位システム(GPS)や自己位置推定と環境地図作成を同時に行うSLAM技術などを組み合わせて場所を特定する。上空を飛んで地雷の位置を特定し、自衛隊員らに連絡するだけで、直接の処理は行わなくて済む。
目印のない森林やぬかるみなどで利用する場合でも、センチメートル単位の精度で場所を特定できる性能を目指す。ドローンに搭載する送受信機の小型・軽量化も進める。
探知に必要な機材を民生ドローンに装着した実験機を開発済み。2023、24年度に実験を通じて改良を進める。
日刊工業新聞2022年10月13日