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ソニーが「におい」自在に提示する技術を独自開発した!

ソニーが「におい」自在に提示する技術を独自開発した!

ソニーのにおい提示装置「NOS-DX1000」

ソニーは、においの素である「嗅素」を手軽に制御する技術「テンソルバルブテクノロジー」を独自開発した。多数の嗅素を制御し、混在させずに均一に提示する。これまで主に視覚、聴覚の領域で技術開発を進めてきた。今回新たに「嗅覚」を開発テーマに加えた。

新技術を搭載した、におい提示装置「NOS―DX1000」を2023年春に発売する。においに関する研究や測定の用途向け。認知症やパーキンソン病などでは、発症前から嗅覚低下の傾向がみられると言われている。同装置では嗅覚能力の測定プロセスを簡易化・高精度化することで、学術研究分野で嗅覚測定を実施しやすくする。

タブレット上での操作でにおいを選択し、被験者に提示する。手先が嗅素で汚染されることや、操作時に他の異なる嗅素が混ざることを抑制できる。

現在、一般的な嗅覚能力の測定では、被験者は嗅素に浸したニオイ紙に鼻先を近付けるなどの動作を繰り返して行う必要があり、測定には30分以上かかる。だが、同装置を使用すれば、10分程度で完了できる。医療機関や研究機関、自治体など向けに訴求する。市場推定価格は230万円前後(消費税込み)。


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日刊工業新聞2022年10月6日

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