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日本製紙の長巻きトイレ紙訴訟に大王製紙が応訴、争点は?

日本製紙の長巻きトイレ紙訴訟に大王製紙が応訴、争点は?

長巻きトイレ紙が特許訴訟となっている(大王製紙の3.2倍巻きトイレットペーパー)

大王製紙は26日、同社を相手に日本製紙クレシア(東京都千代田区)が長巻きトイレットペーパーの特許侵害を東京地裁に提訴した件に「大変遺憾。裁判で正当性を主張していく」とのコメントを発表した。商品開発などは他社の知的財産権に留意しているとし「本件も侵害の理由はない」と強調。訴訟終了後、長巻きペーパーにかかわる自社の技術を「広く業界全体で使用いただく」としている。

日本製紙クレシアが提訴したのは、大王製紙の「エリエール イーナ トイレットティシュー 3・2倍巻」。紙表面に施す凹凸の形状や巻き方などに関する計3件の特許が抵触すると主張し、大王に製造・販売差し止めと廃棄、3300万円の損害賠償を求めた。

長巻きペーパーは同じ1本でも高密度に紙を巻くためコンパクト。複数メーカーが扱いコロナ禍の巣ごもり需要でヒット商品となった。クレシアは1996年に長巻きの第1号製品を投入し、50件を超す関連特許を持つ。

大王製紙は97年に1・5倍巻き、14年には2倍巻きを発売。3・2倍巻きは今年4月に投入され、関連特許は現在出願中。裁判では技術の独自性が焦点となる。日本製紙クレシアは大王の応訴に「裁判の中で粛々と対応していく」としている。

日刊工業新聞2022年9月27日

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